Social Sciences Citation Index の1972年,1977年に含まれる経済学,教育学,法学,政治学,心理学,社会学の引用文献をすべて抽出し,(1)論文あたりの引用文献数,(2)引用文献の形態,(3)引用年分布,(4)タイトル分散,(5)主題分散を調査し,各分野毎の比較を行う一方,1972年と1977年の調査結果を比較した。全分野を通じて,(1)原著論文利用の増加,(2)カレントなメディア利用の増大,(3)引用文献半減期の延長が見出された。経済学分野では他分野と比較してより古い文献が利用される一方,引用文献は少数の雑誌に集中している。教育学分野では5年間に引用文献の少数雑誌への集中化がみられ,心理学文献への依存の高さが目立つ。法学分野ではレビュー誌の数が多いため他分野に比べて論文あたりの引用文献数が多く,単行書の利用が多い。又,他分野の雑誌の利用は6分野中で最も少なく孤立した分野となっている。政治学分野は単行書の利用が多く雑誌の利用は少ない。雑誌出版前2~3年の新しい文献がよく利用される一方,より古い文献も多く利用されている。心理学分野の引用文献の構成は6分野中では最も自然科学に近く,雑誌の利用が多い。又,他の社会科学分野の雑誌をほとんど利用しておらず,医学雑誌への依存が大きい。社会学分野の引用文献は他分野と比較して特色に乏しく,他分野の雑誌の利用と他分野からの利用がともに多く,他分野との境界があまり明確でない。以上の点が明らかにされるとともに,用いられた各指標の有効性についても確証が得られた。
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