Library and Information Science

Library and Information Science ISSN: 2435-8495
三田図書館・情報学会
〒108‒8345 東京都港区三田2‒15‒45 慶應義塾大学文学部図書館・情報学専攻内
https://mslis.jp/ E-mail:mita-slis@ml.keio.jp
Library and Information Science 60: 29-60 (2008)
doi:10.46895/lis.60.29

原著論文

小河内芳子児童サービスのパイオニア

慶應義塾大学大学院文学研究科 ◇ 〒108-8345 東京都港区三田二丁目15番45号

受付日:2008年3月26日
受理日:2008年10月6日
発行日:2008年12月31日
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【目的】本稿の目的は小河内芳子の経歴と活動を明らかにすること,および小河内が活動した各時代における児童サービス,児童図書館員の動きを示すことである。

【方法】小河内芳子の経歴を時代別に4区分し,各時代における関連文献を調査収集し,検証した。併せて関係者への聞き取り調査を実施した。

【結果】小河内は児童図書館員として幸運な経歴を持ち,その立場を活かした活動により児童サービスの動きに影響を与えたことが分かった。その業績のうち評価すべきものは,(1)組織的な活動とネットワークの形成と,(2)児童図書館員の専門性の確立および資質の向上である。1970年代には,量を重視して公立図書館の発展をめざす動きの中,質の充実をめざす小河内の活動に対する批判が生まれたが,これは児童サービスに取り組む視点の違いによるものであることが考察された。

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