日本の大学図書館業務電算化における課題構造の解明―フォーカス・グループ・インタビューによる調査
鶴見大学図書館 ◇ 〒230-8501 神奈川県横浜市鶴見区鶴見二丁目1番3号
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【目的】日本の大学図書館における業務電算化システムの導入が1994年に8割を超え,2002年には99%の大学図書館が「電算化図書館」となった。現在は,インターネットや電子資料を活用した利用者志向の図書館サービスが多くの大学図書館で提供されるようになり,大学図書館は程度の差こそあれ「電子図書館」となった。本研究は,利用者志向の図書館サービスの展開を支える基盤となっている発注・支払,受入,目録,貸出・返却などの業務電算化の課題構造を図書館員の立場から解明する。
【方法】2グループ各6名の大学図書館員を出席者としたフォーカス・グループ・インタビューを実施した。インタビューでは,図書館業務電算化に関する印象や,図書館業務電算化が図書館に及ぼした影響,および図書館業務電算化の今後の方向など,探索的課題について話し合ってもらった。インタビューによって収集した発言内容を因果対立関係に着目して分析した。
【成果】電算化の課題を10個にカテゴリー化し,課題の構造を概念図として導いた。電算化における効果と課題として,1)省力化と機能向上,2)図書館の力量低下,3)未完成なパッケージ,の3点が明らかになった。
© 2009 三田図書館・情報学会
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