Library and Information Science

Library and Information Science ISSN: 2435-8495
三田図書館・情報学会
〒108‒8345 東京都港区三田2‒15‒45 慶應義塾大学文学部図書館・情報学専攻内
https://mslis.jp/ E-mail:mita-slis@ml.keio.jp
Library and Information Science 62: 1-27 (2009)
doi:10.46895/lis.62.1

原著論文

日本の大学図書館業務電算化における課題構造の解明フォーカス・グループ・インタビューによる調査

鶴見大学図書館 ◇ 〒230-8501 神奈川県横浜市鶴見区鶴見二丁目1番3号

受付日:2008年3月3日
受理日:2009年7月22日
発行日:2009年12月25日
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【目的】日本の大学図書館における業務電算化システムの導入が1994年に8割を超え,2002年には99%の大学図書館が「電算化図書館」となった。現在は,インターネットや電子資料を活用した利用者志向の図書館サービスが多くの大学図書館で提供されるようになり,大学図書館は程度の差こそあれ「電子図書館」となった。本研究は,利用者志向の図書館サービスの展開を支える基盤となっている発注・支払,受入,目録,貸出・返却などの業務電算化の課題構造を図書館員の立場から解明する。

【方法】2グループ各6名の大学図書館員を出席者としたフォーカス・グループ・インタビューを実施した。インタビューでは,図書館業務電算化に関する印象や,図書館業務電算化が図書館に及ぼした影響,および図書館業務電算化の今後の方向など,探索的課題について話し合ってもらった。インタビューによって収集した発言内容を因果対立関係に着目して分析した。

【成果】電算化の課題を10個にカテゴリー化し,課題の構造を概念図として導いた。電算化における効果と課題として,1)省力化と機能向上,2)図書館の力量低下,3)未完成なパッケージ,の3点が明らかになった。

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