韓国における学校図書館と公共図書館の協力型プログラムの開発―読書メンタリングプログラムを中心に
東義大学 文献情報学科
東義大学 文献情報学科
【目的】学校図書館と公共図書館の新たな協力型プログラムを提案することを目的とした。具体的には,1)学校図書館と公共図書館が求める協力に関する検討,2)学校図書館の要求だけではなく,公共図書館の状況を考慮した協力型プログラムを設計,3)設計したプログラムを実践した後,成果や課題を分析して改善点を考察した。
【方法】学校図書館と公共図書館の現状調査を2012年4月から6月まで,釜山地域の公共図書館24館および小・中・高644校を対象にして行った。また,質問紙の内容と関連して,インタビュー調査も加えた。そこから,支援方法の一つとして,「読書メンタリングプログラム」を考案し,2012年から2014年の間にプログラムを実施した。分析は,プログラムに参加した小学生に対する感想文やインタビュー調査,教員に対する簡単な質問紙やインタビュー調査,プログラム運営していたメンターが作成した活動計画書や活動日誌の分析,メンターに対して行われた質問紙およびインタビュー調査の結果をデータとして行った。
【結果】現状調査の結果,学校図書館は読書教育を行う専門員の派遣を要求しているが,公共図書館は人手や予算の不足のため,専門的な知識を備えボランティアとして活動できる人を必要としていることがわかった。それらの条件を検討し,新しい協力型プログラムとして図書館情報学を専攻している学部生を活用する「読書メンタリングプログラム」を提案した。「読書メンタリングプログラム」は,3年間に行った。その結果,公共図書館,学校図書館,それにメンタ-である学部生のいずれにも,有意義な成果を示した。今後,課題として,メンティに対するニーズ分析,メンターの教育内容の強化,メンタリングプログラムの方法などを書いたマニュアルの開発,メンタリングプログラムを持続するための運営協力体制の構築を指摘した。
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